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内出血・あざ

あざの記録の書き方(そのまま使える例文つき)

あざを見つけた。でも、どう書けばいいか分からない。
結局いつも「原因不明。経過観察」で終わってしまう——。

先に結論です。「原因は特定できず」と書いてかまいません。 それはいい加減な記録ではなく、いちばん正確な記録です。

大事なのは、見たことと、推測を、混ぜないこと。 この記事では、書く順番と、そのまま書き写せる例文を場面べつに並べました。

最終更新:2026年8月 / 高齢者支援実務研究所

もくじ

  1. 「原因は特定できず」と書いてよい
  2. 記録は、この8つの順番で書く
  3. そのまま書き写せる例文(場面べつ)
  4. 「見たこと」と「推測」は、行を分ける
  5. 申し送り・ご家族への報告・そのあとの記録
  6. まとめ

「原因は特定できず」と書いてよい

記録の前で手が止まるのは、たいてい「原因が書けないから」です。 空欄にはできない。だから「移乗時にぶつけたと思われる」と書いてしまう。 ——ここが、いちばん多い落とし穴です。

見ていないことを「〜と思われる」と書くと、それは推測が事実として残るということです。 あとで別の原因が分かったとき、記録全体が食いちがいます。

「なぜできたか、分かりません」——これは正しい記録です。

分からないことを分からないまま、正確に残す。それができる記録が、いちばん強い記録です。

ベテランでも、看護師でも、原因の分からないあざはたくさんあります。 原因が分からないのは、あなたの力不足ではありません。

そのまま書いてよい言い方(コピーして使えます)

原因は特定できず。
発生の場面は目撃していない。
・ご本人に伺うと「わからない」とのこと。
・現時点では原因が分かっていない。引き続き確認する。

Nếu không rõ nguyên nhân, hãy ghi đúng là "không rõ nguyên nhân".

ただし「分からない」だけで終わらせないでください。
分からないからこそ、大きさ・部位・形を残します。 それがなければ、翌月に読み返しても比べようがありません。

記録は、この8つの順番で書く

順番を決めておくと、迷いません。慣れると1分で書けます。 この8つを、上から順に埋めるだけです。

記録は、この順番で書く ① いつ 日付・時刻・場面 ② どこ 左右+部位(図に●) ③ 大きさ・形 約◯×◯cm/丸・線 ④ 色 見えたまま書く ⑤ 痛み・腫れ あり/なしを両方 ⑥ 本人の言葉 「 」でそのまま ⑦ 前回の確認 いつ見て、なかったか ⑧ やったこと 報告・対応・次の予定 原因の欄が埋まらなくても、この8つが埋まっていれば、記録として成立します
図:記録に書く8つの項目。①〜④は「見たこと」、⑧は「やったこと」です
項目書き方と、書き出しの例
① いつ 日付・時刻に加えて、どの場面で見つけたかまで書きます
例:「8/25 14:20 入浴介助中に発見」
② どこ 左右面(前面・外側・内側)まで。ボディマップに●を打つのがいちばん早い
例:「右下腿の前面」「左上うで内側」
③ 大きさ・形 cmは目安でかまいません。指の幅で比べても十分です。形は丸・線じょう・指のあと・わからない
例:「約3×2cm。形は帯状」
④ 色 見えた色を、そのまま。「青むらさき」「うすい茶色」など
色は時期の手がかりの一つとされますが、あくまで目安です
⑤ 痛み・腫れ 「なし」も必ず書く。腫れ・熱感・動きの制限を、あり/なしで
例:「触れると『痛い』と発語あり。腫れ・熱感なし」
⑥ 本人の言葉 要約しない。「わからない」も、そのままかぎかっこで残す
例:「ご本人に伺うと『わからない』とのこと」
⑦ 前回の確認 いつ見て、なかったか。ここがないと、いつできたか誰にも分かりません
例:「8/22の入浴時にはなし」
⑧ やったこと 報告した相手と時刻/その場でした対応/次にいつ誰が見るか
例:「リーダー〇〇へ14:35報告。8/26朝に再確認予定」

いちばん忘れられるのが⑦と⑧です。
⑦がないと「いつできたか」が永久に分かりません。⑧がないと、次の人が動けません。 「経過観察」とだけ書くのは、⑧を書いていないのと同じです。誰が、いつ、もう一度見るのかを書いてください。

その場で書く。あとでは、必ず忘れます

大きさも、色も、本人の言葉も、勤務が終わるころには曖昧になります。 見つけたその場で、メモでいいので残してください。清書はあとでできます。

Ghi chép ngay tại chỗ.

そのまま書き写せる例文(場面べつ)

下の例文は、日付・時刻・部位・名前を入れ替えれば、そのまま使えます。 利用者さんのお名前は、ここでは「田中様」としています。

例文1|前うで・手の甲に、いつのまにかできていた

「8/25 9:40 更衣時、田中様の左前うで外側に、約2×2cmの内出血を発見。押しても消えない。腫れ・熱感なし。触れても痛みの訴えなし。ご本人に伺うと『わからない』とのこと。原因は特定できず。8/23の入浴時には確認されていない。保湿を実施し、アームカバーの着用をご案内。8/26の朝に再確認予定。」

前うで・手の甲は、ぶつけていなくても出やすい部位です。それでも書かない理由にはなりません。数えることではじめて見えてくるものがあります。

例文2|すね・ひざ — 当たっている物が見つかったとき

「8/25 14:20 入浴介助中、田中様の右下腿前面に、約3×2cmの青むらさき色の内出血を発見。形は帯状。触れると『痛い』と発語あり。腫れ・熱感なし、動きの制限なし。ご本人に伺うと『わからない』。発生の場面は目撃していない。原因は特定できず。8/22の入浴時にはなし。
車いすのフットサポートを手で確認したところ、ふちに硬い出っぱりあり。同日中にカバーを設置。リーダー〇〇へ14:35報告。8/26に再確認予定。」

当たりそうな物が見つかっても、「これが原因」と断定して書かない。「当たる可能性のある箇所を確認し、対応した」と書けば、事実だけで足ります。

例文3|自分ではぶつけにくい部位・物の形をしているとき

「8/25 7:10 起床時の更衣で、田中様の左上うで内側に、約1cm大の円形の内出血が4か所、横に並んでいるのを発見。押しても消えない。腫れなし。ご本人に伺うと『わからない』。発生の場面は目撃していない。原因は特定できず。7:15 リーダー〇〇へ報告。7:25 看護師〇〇へ連絡。以降の対応はリーダー〇〇へ引き継いだ。」

この場面で、あなたが原因を書く必要はありません。見たことを書き、報告した時刻と相手を残す。判断するのは、あなたではありません。くわしくは「虐待では」と疑われないための、あざの記録へ。

例文4|ぶつけた場面を、実際に見たとき(打撲)

「8/25 11:05 居室で、田中様が立ち上がられた際に、右ひじがベッド柵の角に当たるのを目撃。ご本人『大丈夫』との発語。右ひじ外側に約2cmの発赤あり、腫れ・変形なし。ひじの曲げ伸ばしは可能。11:10 リーダー〇〇へ報告。看護師〇〇の指示により対応。11:40 再確認、腫れの増強なし。8/26に再確認予定。」

見たときは、はっきり「目撃」と書きます。これが書けるのは強い記録です。逆に、見ていないのに「目撃」と読める書き方をしないでください。

例文5|ご本人に確認できないとき

「ご本人に伺うが、返答なし。触れても表情の変化なし。」

「お声かけしたが、痛みの有無については確認できず。

「認知症のため分からない」とは書きません。確認しようとしたことと、その結果を書きます。書けることは、必ずあります。

例文6|時間がないときの、最短の3行

「8/25 10:00 入浴時、田中様の右すねに新しい内出血(約3cm)を発見。
痛みの訴えなし、腫れなし。原因は分からない。
10:15 看護師〇〇へ報告。8/26に再確認予定。」

完璧に書けないから書かない、がいちばんまずい。3行でも残っていれば、翌月に数えられます。ヒヤリハットは3行でいい

「見たこと」と「推測」は、行を分ける

記録が混乱するのは、ほとんどの場合この2つが1文に混ざっているからです。 分けて書けば、推測を書いてもかまいません。

1本の記録を、3つの層に分けて書く 見たこと(事実) 14:20 入浴介助中、右下腿前面に約3×2cmの内出血を発見。腫れ・熱感なし。 分からないことは、分からないと書く ご本人に伺うと「わからない」。発生の場面は目撃していない。原因は特定できず。 推測(推測と分かる書き方で、別の行に) フットサポートのふちに硬い出っぱりあり。当たった可能性を検討したい。 やったこと カバー設置。リーダー〇〇へ14:35報告。8/26に再確認予定。
図:同じ内容でも、層を分けて書けば、あとから読む人が「どこまでが事実か」を間違えません
✕ こう書かない

「右足に内出血あり。移乗時にぶつけたと思われる。経過観察。」

大きさも部位の詳細もない。推測が事実として残る。誰がいつ見るのかも分からない。

〇 こう書く

「14:20 入浴介助中、右下腿前面に約3×2cmの内出血を発見。腫れ・熱感なし。原因は特定できず。リーダー〇〇へ報告。8/26に再確認予定。」

言い方を、置きかえるだけでよくなります

✕ よく書かれている言い方〇 置きかえる言い方
ぶつけたと思われる発見した。発生の場面は目撃していない
原因不明原因は特定できず。ご本人に伺うと「わからない」
経過観察8/26 朝の更衣時に、〇〇が再確認予定(誰が・いつ)
内出血あり右下腿前面に、約3×2cmの内出血あり
少し腫れている腫れなし/腫れありと、熱感の有無を分けて書く
だいぶ良くなっている大きさは前回と変化なし。色は前回より薄い
認知症のため分からないご本人に伺うが、返答なし/確認できず
本人は痛くないと言っているご本人の言葉を「 」でそのまま/触れても痛みの訴えなし

「〜と思われる」を消すだけで、記録は見ちがえます。
どうしても推測を残したいときは、「〜の可能性がある。目撃はしていない」と、 推測だと分かる形で、別の行に書いてください。

書いてはいけないこと

・特定の職員を、原因として名ざしで書く(事実として確認できていない限り)
・分からないから、書かない・次の人に言わない
・記録の写真を個人のスマートフォンで撮る/個人の端末に残す/SNSに載せる

写真を撮るときのルール

写真は、記録を助けます。ただしルールを先に決めておくことが前提です。

申し送り・ご家族への報告・そのあとの記録

次の勤務者へ、口で伝えるとき

例文7|申し送り(口頭)

「田中様、右のすねに約3cmの内出血です。14時の入浴で見つけました。昨日はありませんでした。痛みの訴えはありますが、腫れはありません。原因は分かりません。フットサポートにカバーを付けました。明日の入浴でもう一度見てください。

口頭でも順番は同じです。部位・大きさ・いつ・前回・対応・次に見る人。最後の一言があるかどうかで、次の日が変わります。

ご家族へお伝えするとき

あざが出てから説明すると、どんなに正しくても言い訳に聞こえます。 「分からないことは、分からないとお伝えする」と、先に約束しておくのが確実です。

例文8|ご家族への報告(その日のうちに)

「本日◯時ごろ、入浴のさいに、右のすねに約3cmの内出血を見つけました。腫れや、強い痛みの訴えはございません。現時点では原因が分かっておりません。当たる可能性のある箇所にカバーを付け、明日また確認いたします。ご心配をおかけします。何か分かりましたら、改めてご連絡いたします。」

言い方も、記録に残します。「16:10 長女〇〇様へ電話。上記の内容を報告。『分かりました』とのお返事」——報告した時刻・相手・伝えた内容・相手の反応まで書いてください。

賠償や責任の話は、その場で答えないでください。 「担当の者からご連絡いたします」とお伝えし、管理者へつなぎます。それも記録に残します。

そのあとの記録(ここが抜けがちです)

1回書いて終わりでは、大きくなっているのか、増えているのかが分かりません。 見た日を、短くていいので残します。

例文9|経過の記録(翌日・3日後・1週間後)

「8/26 9:30 更衣時に再確認。右下腿前面の内出血、大きさは約3×2cmで変化なし。色は前回より薄い。新しい内出血なし。痛みの訴えなし。8/28に再確認予定。」

「8/28 9:20 再確認。範囲の拡大なし。新しい内出血なし。9/1に再確認予定。」

「変化なし」も立派な記録です。書いてあるから、変わったときに気づけます。2週間ほどたっても消えないとき、同じ場所にくり返すときは、看護師へご相談ください。

言葉で「右足のあたり」と書くより、図に●を打つほうが、早くて正確です。

ボディマップは「絵で書く記録」です。日本語が母語でない職員にも、同じように伝わります。

記録用紙に体の図が入っていない場合は、様式のページのボディマップを印刷して、 記録に添えてください。見つけたところに○を打ち、①②③と番号をふって、番号ごとに大きさ・形を書くだけです。

まとめ

記録用紙の体の図が、手元にありますか

ボディマップ(様式3)は、見つけたところに○を打つだけの1枚です。印刷して、記録に添えて使えます。利用者さんの状態から、注意する部位を調べることもできます。

ボディマップをダウンロード あざのリスクを調べる →

根拠にした資料

個人の経験ではなく、公表されている資料をもとに整理しています。
  • 厚生労働省「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」および関連通知
  • 厚生労働省「身体拘束ゼロへの手引き」
この記事について 一般的な情報提供を目的としています。医療・介護の判断を代替するものではありません。 施設によって、利用者さんによって、正しいやり方は変わります。ここに書いたことが、そのまま当てはまるとは限りません。 記録の様式・保存方法、事故報告の基準は、所属施設の規程と自治体の定めに従ってください。 あざの大きさ・色・消えるまでの期間は目安であり、見え方には個人差があります。色や形から、いつできたかを断定しないでください。 押しても消えない赤み、急に広がるあざ、強い痛みや腫れを伴うものは、看護師・医師にご相談ください。 実際の対応は、所属施設の規程および、医師・看護師の指示に従ってください。制度・基準は改正されることがあります。
ベトナム語 参考訳です。母語話者による確認は受けていません。誤りにお気づきの方はご連絡ください。